サーランギ
SARANGI
サーランギは北インドの代表的な弓奏楽器で、古くから主に声楽や舞踊の伴奏に使われてきました。
構造が非常に複雑で、実際に弓を擦り音を出す3本のガット弦のほかに、35本程の共鳴弦が張られます。
そのため、他の楽器にはない残響の豊かな深みのある音を出すことができます。
奏法は独特で、ギターやバイオリンなどのように指先で弦を押さえるのではなく、爪の付け根付近を横から弦に触れさせることで音を選びます。
この奏法により、非常に滑らかな音の移動が可能で、ヴィブラートも自在に操ることができ、インドではサーランギは人間の声に最も近い音を出す楽器といわれています。
シタールやタブラといった楽器から比べると奏者は少ない楽器ですが、北インド古典音楽においては非常に重要な楽器の一つです。
なお、一般的にサーランギというとインドのサーランギとネパールのサーランギのどちらかを指すことが多く、その形状、音色は全く異なりますが、ここで扱うのはインドのサーランギです。